大学編入試験の過去問解説(1)-行列の固有値
『大学編入への道のり(5)』で「過去問解法の記事を書きたい」とか言っちゃったので,そろぼちそういった記事を書いていきましょうかねぇ.
とりあえず,個人的に面白いと感じた問題について解説をしていこうかなって感じです(数学だけですが).
拙い解説になると思いますが,そこはお許し願います…
一部の大学は過去問をネットに公開してますが,そうでない大学もたくさんあります.
そんなわけで出題校は伏せますが,まぁ分かる人には分かるでしょう.
ちな,様々な編入試験の過去問がまとめられている問題集がちらほら存在します(たぶん数学だけですが).
僕の知っている限りでは『数学/徹底演習(第3版)』,『大学編入のための数学問題集』,『編入数学過去問特訓』なんかがそうです.
前置きはこれくらいにして,そろそろ問題の解説に入りましょうかね.
行列に対して,次の問いに答えよ. 以下,は3次の単位行列を表し,は1の3乗根を表す. (1)の固有値と固有ベクトルを求めよ. (2)がと表されることを用いて,の固有値と固有ベクトルを求めよ. (3)等式 を示せ.
以下から各設問の解説に飛べます.
設問(3)
勘の良い方はもうすでにお気づきでしょう.
そうです.証明したい等式(a)の右辺は(2)で求めた3つの固有値の積になっています.
とおいて,等式(a)を書きなおしてみると,
となります.
ここで,行列Aを対角化すればうまくいきそうだなと気づくと思います.
てなわけで,きちんと証明をしてみます.
証) とおく. 各固有値の固有ベクトルの1つとして をとり,とおくと, となる. ここで,なのでが存在して, とAを対角化することができる. また,を考えると,行列式の性質より, よって,式(b)の両辺の行列式を求めると, となり,等式(a)は成り立つ.
まぁ,今回は様子見ってことで,この問題を選んでみました.
余裕があればもう少し難しい問題を取り上げてみたいんやが,果たして僕はちゃんと解説することができるのだろうか…
こうご期待!