確率論嫌いマンだったわいが確率論を好きになったという話
かなりお久しぶりの更新になります.
ようやく院試が終わったので,ブログの更新を頑張って再開していこうと思います.
思うだけにならないように頑張ります,えぇ.
今回は,僕が確率論に興味を持つまでのいきさつ的な何かをまとめていこうかと思います.
僕は学部3年の後期から本格的に確率論の勉強を始め,現在も絶賛猛烈勉強中であります.
しかし,それ以前の僕は確率論に対してすごい苦手意識があり,あまり好きになれませんでした.
その理由は下の方で詳しく話していくつもりですが,端的に言ってしまえば「確率論がインチキくさく感じた」からです.
(めっちゃ悪口になってしまったんですけど,どうかお許しを.)
そして,過去の自分と同じような思いを持つ人が一定数いるような気がしたので,そういう人たちに向けてこの記事を書こうと思い至りました.
まず,大前提として言っておかないといけないことがあります.
それは,僕は元高専生で,大学に3年次編入した学生であるということです.
高専時代は,大学に入ってからと比べると全然数学の勉強できていなかったので,それも大きな原因の一つであったと思います.
学部一年から大学で数学の講義をとっていたら少しは人生変わってたのかなと思わなくもないですけど,まぁ思うだけ無駄ですよね.
それを頭に入れて以下の記事を読んで頂けると幸いです.
確率論が苦手になった高専時代
高専1,2年の頃は,高校でも習う順列,組み合わせなどに関する事柄を習ったような気がします(ほとんど覚えていない).
その当時に解いていた問題といえば,「~となる場合は何通りあるか」とか,「~が起こる確率を求めよ」といったような問題ばかりだったと記憶しています.
その時から,僕の苦手意識は芽生え始めました.
順列と組み合わせの違いは理解していたつもりなのですが,ちょっとした応用問題を解くときになると,「なぜ答えがそうなるのか?」と言いたくなるような場面にたくさん出くわしました.
例えば,「~となる場合は何通りあるか」といったタイプの問題では,順列と組み合わせのどちらが用いられるかを見極めなければなりません.
袋の中から「同時に」球を2つ取りだしたときは,それは組み合わせの問題となる,といった具合です.
簡単な問題だとそういった使い分けは納得できたのですが,すこし難しい問題になると,答えを見たときに「なんで!?確かにその解釈は分かるけど,僕の解釈だって間違ってないと思います!!ぷんぷん!!」と思ってしまうことが少なくありませんでした.
かつて確率論に対して感じていたインチキくささは,この時から抱き始めたのかもしれません.
これらにまつわる問題は,小針先生の『確率・統計入門』に,1番最初の方で分かりやすく取り上げられていた気がします.
中学でも習うような「同様に確からしい」とは一体どういうことかについて,例を挙げながら説明している所はすごく印象に残っています.
果たして,「同様に確からしい」の意味をきちんと説明してくれる中学,高校の先生がどれほどいるのでしょうかね.
小針先生の本は実の所ちゃんと読めていないので,近いうちに絶対読み直したいですね.
高専5年では,学部1,2年で習うような確率・統計の基礎を習いました.
そこでは,正規分布,二項分布,ポアソン分布などの各種分布の性質,中心極限定理,不偏推定量,仮説検定などを学んだりしました.
コンテンツはすごく面白そうな感じがしますが,僕の場合はここでもさらに苦手意識を植え付けられてしまいました.
主な原因はハッキリ言って,その授業がクソつまんなく感じたからです.
たまに確率・統計にまつわる面白い話もしてくれたのですが,それを込みにしてもやっぱり面白味がなかったですね.
先生には大変申し訳ありませんが…
肝心の「授業がクソつまんなく感じた」理由ですが,授業で学んだ事柄のほとんどについて,それらのイメージを教わることがあっても,自分が一番気になる数学的な事情にあまり突っ込んでくれなかったからです.
(もしかしたら突っ込んでくれてたかもしれませんが,先生との相性があまり良くなかったのもあって,よく睡眠学習を決め込んでました.すいません.)
そもそも高専がエンジニアを育てる学校というのもあって,数学的な事情に触れるというのは難しいというのは重々承知してはいますが,ぶっちゃけそんなことは僕に関係ないんです.
そういうわけで,複雑そうな数式がたくさん出てきては十分な説明なしに使わされ,たくさん計算させられました.
暗記,計算が大嫌いな僕にとっては苦痛でした.
不幸中の幸いか,テストのときは公式集なるものが配られたので,極度の暗記ゲーにはならずに済んだんですけどね…
おかげさまで,編入試験対策で確率・統計の勉強をする気には中々なれませんでしたね…
あと,どういういきさつでそうなったかは分かりませんが,確率論に対して「ランダムネスを数学するってなんだかインチキくせぇ」と感じていました.
「ランダムネスを数学するって一体どういうことだ?すごくおもしろそう!」と感じても良さそうなものですが,上で書き連ねたような不満が溜まりに溜まっていたのでしょうね.
機械学習の勉強をしまくってた高専の友達に,「確率論ってランダムネスを扱うからなんだかインチキくさく感じるけど,実際はそんなことないんだよ」と説得させられた記憶がなんとなく残っているのですが,それを聞いても確率論を好きにはなれませんでした.
こうして,確率論が嫌いなまま大学に編入学することになります…
「確率微分方程式」とかいうパワーワード
大学に編入して,とうとう待ち望んでいた数学漬けの日々がやってきます.
僕は大阪大学の基礎工学部数理科学コースに編入したのですが,その理由は数理科学コースに所属しているとある研究室が微分方程式論,特に数理医学に関するモデルの研究をしていて,そのなんとも面白そうな分野に興味をそそられたからです.
当然,入学当初は確率・統計を専門とする研究室は眼中にありませんでした.
そして,ようやく転機が訪れます.
3年の5月頃,僕は大学の自主ゼミサークルに入っていたのですが,僕が参加していたサークルの集会に数理科学コース所属の先輩が来ていることに気づきました.
集会の帰り,僕は意を決してその先輩に声をかけました.
その先輩は学部4年(当時)で,確率論を専攻しているということは事前に知っていました.
色々と面白い話を聞かせてもらって,「声かけてよかった~」と思ってたさなか,確率微分方程式とかいう,明らかにヤバそうな分野が存在することを教えてくれたのです.
微分方程式は様々な現象を「正確に」予測するために用いられるという認識だったので,ランダムネスを扱う確率論が微分方程式と結びつくとは一体どういうことなのかと思いました.
その先輩は当時確率論の初学者だったそうで,確率微分方程式に関する詳しい話を聞くことはできませんでしたが,どうやらそれが自然現象,社会現象を解析するのに役立つということは教えてもらいました.
そして,その時の僕はどういうわけか,「確率微分方程式なら自分にでも興味を持って勉強できそう!というか勉強したい!」と思ったのです.
これまでの話をきちんと読んでくれた方々は,「なぜその時はインチキくさいと思わなかったのか」と思われるかもしれませんが,正直僕にも分かりません.
たぶん,その当時一番興味を持っていた微分方程式が関係しているからっていう単純な理由からだと思います.
後日,確率解析を専門とする研究室の教授と院生にアポをとって,色々とお話を聞かせてもらいました.
そして,確率微分方程式の勉強をする前にきちんと確率論の基礎を固めないといけないという当たり前の事実が判明したので,確率論の勉強を本格的に始めた,といった具合です.
実際に確率論の勉強をしてみて思ったのですが,この分野ってバチバチに解析学が活躍するんですよね.
というか,測度論が分からないと本格的に確率論の勉強ができなかったりします.
高専時代はそういった認識がほとんどなかったものですから,結構意外でした.
そして,本当は確率論が自分の肌にすごく合ってるということが分かったのです!
確率論たのしい!!!
もし,あの時先輩に声をかけなかったら,今頃僕は微分方程式論の勉強をバリバリやっていたのでしょうか.
別に,それが悪いと言っているわけではないですからね!
そこだけは誤解しないでいただきたい.
余談ですが,これまでにちょいちょい統計の話を出しながらも,決して「統計が好きになった」と言わなかったのは理由があります.
正直,まだ統計に対する苦手意識が拭い切れてないからです.
でも,高専時代に感じていた苦手意識とはもう違います.
きちんと統計の勉強をしたら,絶対好きになれると確信しています.
なので,余裕が出たら絶対に統計の勉強もしたいです.
吉田先生の『数理統計学』がオススメだとよく聞くので,是非とも読みたいですね.
長々と書き連ねてしまいましたが,最後まで読んでくださった方はいるのでしょうか…
一刻も早く確率論のプロになれるよう,この夏休みに頑張ります.