油断してると地獄を見ることになる3年後期
以前,3年前期の大学生活がどんな感じかを記事にまとめました.
今回は3年後期の授業がどんな感じかをまとめようと思うわけですが,主に感じたことは次の三つです.
- 後期の方が授業の内容は面白い(楽とは言ってない)
- ゼミ(形式の授業)が楽しい
- 課題(特にRの課題)がしんどい
後期の授業の目玉は,何と言っても測度論だと思います.
ただ,3年後期が始まるまでに集合位相の勉強をろくにしなかった人は,確実に最初は躓きます.
かなりの努力をしないとついていけないでしょう.
さらに,距離空間に関する講義である基礎数理Bという授業が2年の後期に開講されるのですが,数理の編入生はそれを受けずに測度論の授業を受けることになります.
ろくに自習をしてこなかった編入生は測度論の授業はもちろん,基礎数理Bおよびその演習科目でも苦しい思いをするかもしれません.
まさに地獄 of 地獄です.
そんなわけで,数理科学コースに編入をお考えの皆さん,悪いことは言いません.
集合位相の勉強をしましょう.
脅しはこれくらいにして,とりあえず時間割を晒します.
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 応用数理B | (情報数理ゼミB) | 統計数学B | ||
2 | (情報数理ゼミB) | ||||
3 | 計算数理B | 基礎数理D | 応用数理D | 数学D (2年) |
基礎数理B (2年) |
4 | 情報数理B | 基礎数理演習D | 基礎数理演習B(2年) | ||
5 |
(赤文字:必修科目, 黒文字:選択科目)
※前期の情報数理ゼミAと同様,ゼミBの時間は研究室によって異なります.
コマ数は前期より減ってますが,だからといって前期より楽とは言えません.
冒頭にも述べましたが,授業の難易度が上がり,それに伴い課題の負担も増えるからです(詳しくは後で説明).
とは言うものの,期末テストが課される科目が5科目(?)だけというのは嬉しい所ですね.
以下では,履修している科目の中で,特に注意しておきたいものについてまとめていきます.
※あくまで,平成29年度のカリキュラムに関する情報です.
計算/情報数理B
機械学習の基礎に関する授業です.
計算数理が講義形式で,情報数理がR言語を用いた演習形式です.
どちらの授業も毎週レポートが出て,特に情報数理で出されるRの課題がしんどいです.
前期は前期でMathematicaの課題がしんどいとか言ってたような気がしますが,これは僕にプログラミングの課題に対する耐性がないのか,一般にプログラミングが絡む課題はしんどくなりがちなのか,どちらなんでしょうね.
あと,統計,線形代数の知識が乏しいと,授業についていくのが結構しんどいと思います.
……僕のことですね分かります.
どちらの授業もテキストは『An Introduction to Statistical Learning: with Applications in R』ですが,(少なくとも)阪大生なら無料でテキストのpdfを手に入れることができます.
やったね.
このテキストは数学的な内容にそこまで踏み込んではいないものの,理論の概要について非常に分かりやすく丁寧に書かれた本だと思います.
授業で何をやってるのかさっぱり訳分からんくなったら,まずはこれを読むのが良いかもしれません.
基礎数理(演習)D
冒頭でも述べた,測度論に関する授業です.
講義で用いているテキストはRudin先生の『Real and Complex Analysis』です.
もしかしたら来年度くらいからテキストが変わっちゃうかもしれませんが,面白い本なので,是非とも読んで欲しいです(まだ部分的にしか読んでませんが…).
2章あたり(特にRisezの表現定理)とか面白そうです.
演習の方はゼミ形式になっていて,1回約15分の発表を計3回くらいこなさないといけません.
質疑応答の厳しさは,その時の学生の質によります.
先生も質問しますが,そこまで厳しくはないです.
ちなみに,ゼミで使用しているテキストである吉田先生の『ルベーグ積分入門―使うための理論と演習』ですが,自学自習に最適な本だと思います.
行間は少なく,演習問題が色々あり,その上それらの解答も丁寧です.
初学者の人は伊藤先生の『ルベーグ積分入門』ではなく,吉田先生の本を読んだ方が良いでしょう.
伊藤先生の本読んだことないけどね.
数学D
基礎工で開講している科目で唯一(?),抽象代数学(ここでは群・環・体)に関する講義を行っている授業です.
学科によって先生が異なるっぽいのですが,まぁどこの学科も授業についていけている人は一握りしかいないと思います.
小テストが毎回あるので普段から予習復習をしないといけないのですが,なんせ(特に編入生は)時間がありません.
おかげさまで,理解がなかなか追いつかなくなってきてます.
参考書として,僕は雪江先生の『代数学1 群論入門』,『代数学2 環と体とガロア理論』を使ってます.
とても丁寧に書かれていて,例や演習問題も多いです.
また,雪江先生の講義映像がYouTubeにあがってたりします.
まだきちんと見たわけではないですが,もしかしたらこれも理解の手助けになるかもしれません.
youtu.be
基礎数理(演習)B
冒頭でも述べた,距離空間に関する授業です.
この科目はとても重要で,これを理解してないと今後死にます.
というか,必修なので最低でも単位とれないと卒業できないっすよね()
しかし,重要度の高い内容であるにも関わらず,多くの学生は理解に苦しんでいる様子です.
心なしか,再履修(?)をしている3年生も割と多く見かけるような気がします.
編入生からしてみると,是非とも3年前期のうちに受けておきたい授業ではあるのですが,まぁ仕方がないですね.
演習の方は半ばゼミ形式で,事前に与えられた大量の問題の中から好きなものを解いて,黒板で発表すると点数がもらえるといった感じです.
あと,ほぼ毎週出されるレポートの出来も,成績に大きく影響します.
量はそこまで多くないのですが,集合位相の問題に慣れていないとなかなか苦労しそうです.
講義および演習の参考図書として固いのは,内田先生の『集合と位相』,松坂先生の『集合・位相入門』,杉浦先生の『解析入門Ⅰ』(1章のみ)です.
「参考図書として固い」の意味しているところは,授業(特に演習)の内容が上にあげた本を基にしている感じが強いということです.
…とまぁ,ここまで色々書いてきたわけですが,ここで一つ気づいたことがあります.
気をつけなあかん授業,ほぼ全部やないかい!
後期も残り1ヶ月なので,頑張って切り抜けていきましょうね.
期末試験の準備もそろそろ始めていかないと…
それと,今回は色んな本を紹介しましたが,是非とも自分に合う参考文献を見つけて欲しいという思いで,色々あげてみました.
決して,Amazonアソシエイトの紹介料を狙っているわけではありません(大嘘).
(リンクからAmazonに飛んで,そこでお買いものをして頂けると僕が大変喜びます.)
それではこの辺で失礼します.